
春霞(はるがすみ)
なんと美しい呼び名だろうか
春の花が咲き乱れる頃


風景は白く霞み
新たに 生まれいずるものを 優しく包み込んでいるように見える
四季を通して もっとも命が輝くとき

僕らの門出も 同様に訪れる

進級・進学・就職・転勤 etc.
ただ きっかけがなくなれば 自ら動くのは難しい
何かを変えなければ……
そして
はやく脱皮しなければ……
衝動を制御するあまり 遠い昔に忘れた 本能を取り戻すこと……
しかし 今ならできるかもしれない
皆が 咲き誇る花に気を取られている隙に
とぼけた顔で 春の霞みにまぎれて 助けられ

それでも 迷ったときは 僕が背中を押してあげよう .
砂に埋もれたこの 僕の手で
No50
2003.04.02 |